甘々と稲妻(アニメ・漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『甘々と稲妻』とは雨隠ギドによる漫画作品。2013年に『good!アフタヌーン』にて連載を開始。2016年にはアニメ化もされた。主人公「犬塚公平」は妻を亡くし、高校教師と子育てを両立する毎日。そんなある日、一人娘の「犬塚つむぎ」と二人でお花見に行くと、泣きながら一人でお弁当を食べている女子高生「飯田小鳥」と出会う。この出会いが縁となり、公平と小鳥は小鳥の実家で料理店「恵」で一緒に料理を作って食べることになった。

9話でつむぎの言ったセリフ。
犬塚家で多恵が作っていた「おうちカレー」(それぞれの家庭の味のカレー)を再現する事になった公平と小鳥。
多恵の作っていたカレーはドライカレーであるが、多恵の残したレシピノートは三日坊主で殆ど何も書かれていなかった。
そのため、公平の記憶から具を特定し、めぐみに考えて貰ったレシピでカレーを作っていく。
しかしドライカレーにはつむぎが大嫌いなピーマンが入っていた。
公平と小鳥はピーマンが入ってても良いかとつむぎに聞くと、つむぎはピーマンが入ってる事を始めから知っており、「甘々おうちカレーは、魔法でどんな野菜もカレー味に変身してるの」と答えた。
つまり多恵はピーマンをつむぎにちゃんと食べさせられていたのである。
出来たカレーを食べながら、公平は生前の多恵が玉ねぎで泣いてしまったことや、その対策として公平の眼鏡を借りるも度が強くてクラクラしてしまった事を思い出した。
つむぎも同じ事を思い出していて二人で笑ったが、突然つむぎは公平の足にしがみ付き「ママ…来ないし…おとさん…作っちゃうんだもん…」と涙ぐむ。
これまで多恵が作っていたものを公平が代わりに作ってしまうということは、多恵がもう居ないという事の証明でもあった。
公平は「もう作らない」と言って謝りつむぎを抱きしめるが、つむぎは「食べるよ!」と公平に頭突きした。
家庭ごとに違う味があるカレーだからこそ、二人は多恵を思い出さずにいられないのであった。

「つむぎ、今猫だから、自分でできない」

10話のつむぎのセリフ。
公平は最近甘えん坊になっているつむぎと二人で海へ遊びに行く。
公平が「つむぎはお姉さんだから、一人で出られるよな?」とつむぎに言うと、「猫だから自分でできない」と公平に抱っこをせがむ。
猫なら仕方ないなと公平はつむぎを抱き上げる。
つむぎは海にはあまり興味を示さず、公平に甘えた。
公平とつむぎは釣り人からアジを貰い「恵」に行き、小鳥としのぶに事情を話す。
小鳥はつむぎが何処となく元気がないのに気づき話しかけるが、つむぎは俯き公平の後ろから動かず、公平に最近は甘えん坊だと言われる。
つむぎは「甘えじゃないよ。猫なの。猫だからいいの」と反論し、しのぶはニャーニャーと話しかけ、猫になったつむぎとも仲良くなってしまう。
つむぎはこれまで公平に気を使うシーンなどもあったが、まだ親に甘えたい盛りでもあり、つむぎの年齢相応の子供らしさが出ているセリフとシーンになった。

小鳥と出会ってからの食事変化

小鳥と出会う前の公平の料理の腕は、つむぎから見たこと無い表情を聞き出してしまったレベルであった。

料理が苦手な公平は、買って来たお弁当や外食ばかりであった。
つむぎはママが居なくなってしまった事をつむぎなりに理解し、お弁当や外食に文句を言わなかった。
しかしいつも似たようなお弁当につむぎは食が進まず、公平は先日出会った小鳥の母が営む店へ行ってみる事になった。
そこから小鳥と料理を学ぶ事になった公平は、家でも少しずつ料理を作るようになっていく。
すぐに上達する事は無いが、公平が「料理を作る」という努力をする事により、つむぎは以前よりも楽しく食事をするようになった。
食を通してつむぎは成長して行き、公平もまた父親として成長して行く。

公平が風邪を引く

公平に叱られ抱っこを拒み、小鳥と一緒に居ようとするつむぎ。

ある日公平は日頃の無理が祟り、熱を出して寝込んでしまう。
余裕の無かった公平はつむぎにリビングに居るように言い寝入ってしまう。
つむぎはお気に入りのアニメ「マジガル」の主人公が皆を助ける姿を見て、自分も父を助けようと一人で家を出て行った。
通行人に助けられつつ歌いながら商店街まで行くと、自転車に撥ねられそうになり、自転車の運転手に怒鳴られてしまう。
つむぎは涙目になりながらも、一人で「恵」に到着した。
「恵」は開いていなかったが、つむぎの声を聞いた小鳥が2階の自宅から顔を出した。
つむぎは公平が風邪を引いたことを小鳥に話した。
小鳥は薬やスポーツドリンクや桃缶をつむぎにあげ、つむぎを家の近くまで送っていく。
商店街では、公平がつむぎが居なくなった事に気づき血相を変えてつむぎを探していた。
つむぎは笑顔で公平に駆け寄るが、公平はつむぎに「一人で勝手に出るな!」と怒鳴った。
するとこれまで泣かないように頑張っていたつむぎは、せきを切ったように大泣きしてしまい、公平の抱っこを拒み暴れだしてしまう。
小鳥は一端「恵」に行こうと提案し、公平は一端は断るが、つむぎが暴れてしまうためお店にお邪魔する事になった。
公平はまず怒鳴ったことをつむぎに謝り、つむぎをとても心配したから怒ってしまったのだと話す。
するとつむぎも謝り、「おとさん、具合…悪かったでしょ?」と涙ながらに言い、公平はつむぎは自分のために頑張って無茶したのだと知り、「ごめんな、心配かけて。頑張ったね、ありがとう。」と声を掛けた。
小鳥は二人のために美味しいものを用意して仲直りしてもらおうとしていたが、二人の微笑ましい様子を見てるうちに用意していた土鍋ご飯が焦げてしまった。
焦げたご飯を五平餅にして三人で食べ、翌日公平の風邪は治り元気になったのであった。

つむぎの歌

道路の白線を歩くつむぎ。白線の外は海でサメが泳いでいる。

公平が風邪を引き、つむぎが一人で商店街へ向かう際に歌っていた歌。
道路の白線から落ちてはならず白線の外は海でサメが居るというルールで、「サメに気をつけろ~」という歌を歌う。
しかし向かいの道の白線にどうしても行けず困っていると、通りかかった二人の女子高生がつむぎを見て事情を察し、つむぎを白線まで運んだ。
犬に出会ったり洞窟トンネルを抜けたり、道路を老婆と一緒に横断し、商店街に辿り着いた。
何でもない道でも子供目線で冒険のように演出され、子供らしい歌と歌声が可愛らしく、視聴者をほっこりとさせた。
しかしその後つむぎを怒鳴った自転車の男のせいで、一気につむぎは不安にかられてしまい、自転車の男は視聴者から目の敵にされた。

何でもおいしそうに食べる小鳥

朝から大盛りのご飯を幸せそうに食べる小鳥。

小鳥は本作の大きなテーマの一つである「食」を象徴するようなキャラクター。
美味しい物が大好きで、いつも食べ物の事ばかり考えており、料理を美味しそうにそして幸せそうに頬張る。食べられる量も人よりかなり多い。
ご飯そのものの映像も飯テロであるが、小鳥の食べる姿も飯テロであり、同じ物が食べたくなってしまう視聴者も多い。
第一話では桜の木下で一人泣きながらおにぎりを食べていた。
それは一人で花見に来なければならなかった涙ではなく、ドタキャンする程忙しいのにお弁当を作ってくれた母に対する感謝と、お弁当の美味しさに感動した涙であった。
小鳥は料理の上手い母親の手料理を食べて育ったためか、料理への愛や感謝の気持ちが人一倍強い。
しかし小鳥は舌が肥えたグルメなわけではなく、市販のパンなども美味しそうに食べ、そして堂々と早弁してしまうほど、本当に食べることが好きな少女なのである。
何でも美味しそうに食べる小鳥の食べっぷりも、本作の見所の一つである。。

料理上手なしのぶと祐介

小鳥と公平の邪魔をしないよう、手を出してしまう裕介をしのぶが止める。

料理の知識はあるが包丁が怖くて持てないことりと、料理経験のない公平の二人は、二人のペースでゆっくりと料理を学んでいく。
小鳥の友人「しのぶ」と、公平の友人「裕介」は二人とは逆に料理に慣れており、レシピを見たりせずとも色々な物がその場の思いつきで作れてしまう。
4人で料理する事になった時、おぼつかない公平と小鳥を尻目に、しのぶと裕介は手際よくドンドン作業を捗らせてしまう。
途中でしのぶは小鳥が犬塚親子と一緒に料理を作る時間を大事にしていた事に気づき、二人の作業には手を出さず、裕介にも出させなくした。
その後もしのぶと裕介が料理に参加する事はあれど、公平と小鳥の作業を手伝ったり自分達が先にやってしまう事はなく、二人を見守っていくのであった。

父と娘

つむぎを上手く叱ってあげられなかった公平は、腹を割り改めてつむぎと向き合う。

本作中、つむぎは何度か公平に怒られている。
いずれもどんな子供でもやりがちな失敗で、むしろ公平の叱る能力の方が試されることになる。
ただ頭ごなしに怒鳴ってもダメで、何も言わなくてもダメ、子供を育てる親の難しい試練である。
つむぎが一人で家から出てしまった際には思わず怒鳴ってしまい、つむぎは大泣きして暴れてしまう。
しかしちゃんと説明し、怒鳴ってごめんと謝るとつむぎも落ち着きちゃんと反省するのであった。
つむぎがお好み焼き屋で気に入らないことがあり、公平の注意を無視し青海苔で遊んでしまった際は、公平は上手く叱ることができず、つむぎは店内で大泣きしてしまう。
翌日もつむぎは不貞腐れてしまい、「恵」で皆でお好み焼きを作った際に、切ったキャベツの入ったボールに足があたり散らかしてしまう。
公平は腹を割ってつむぎと向き合い、つむぎに怒られるのは嫌いかと問うと、つむぎは嫌いと答えた。
公平も怒るのが嫌いだとつむぎに言うと、つむぎは意外そうな顔をした。
そしてつむぎが良くない事をしたら、嫌だけど頑張って叱ると言い、お好み焼き屋では上手く叱れなくてごめんと謝った。
するとつむぎは笑顔になり、自分もごめんなさいと謝り返し、キャベツを散らかしてしまい迷惑を掛けた裕介としのぶにも自分から謝った。
母が居なくなってしまい我侭をあまり言わなかったつむぎであるが、徐々に我侭を言ったり聞きわけが悪くなったりし、それによって父としての公平も成長して行く事になる。
公平が上手く褒めそして叱れる事により、つむぎも成長をしていくのであった。

公平と仲直りし、今度は美味しくお好み焼きを食べる事が出来たつむぎ。お店のお好み焼きよりも皆で作ったお好み焼きの方が美味しかった。

『甘々と稲妻』で作った料理とエピソード集

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