零〜濡鴉ノ巫女〜(Fatal Frame V)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『零~濡鴉ノ巫女~』は任天堂発売の和風ホラーゲーム『零』シリーズの第6作目(通算9作目)である。キャッチコピーは「死の山、幽婚、神隠し すべては水でつながっている。」。不来方夕莉、雛咲深羽、放生蓮の3名が操作キャラクター。日上山という水をご神体として崇める霊山が舞台。夕莉は消えた恩人や依頼人を、深紅は母を、蓮は死者を写した弔写真を追い、それぞれの事情から怨霊が徘徊する日上山へ踏み込んで怨霊との戦闘や探索をくり広げる。映画さながらの美麗グラフィックと陰鬱な雰囲気がファンを集めている。

「人生は時にコーヒー1杯の温かさの問題」

夕莉が淹れてくれたコーヒーを飲む密花。夕莉の「くろさわ」初来店時とは反対の立場だった。

黒澤密花の座右の銘にして初めて「くろさわ」を訪れた夕莉にかけた言葉。コーヒー一杯の温かさで時に人は孤独や絶望から救われる事がある、彼女の深い人生経験から出た言葉は、天涯孤独の境遇と霊が見えるせいで孤立していた夕莉の支えとなった。

「ゆっくり ゆっくり死ね!」

蓮(麻生)を道連れにしたくない白菊は渾身の力で彼を突き飛ばす。

箱ノ中エンドで白菊が共に箱に閉じ込められた蓮(麻生)に放った叫び。同時に白菊は蓮(麻生)を突き飛ばし、現世へと送り返したのだった。幼い頃から人柱となる宿命だった白菊は、麻生と幽婚で結ばれる事だけを夢見てきたが、自分と同じ永遠の孤独と苦痛に彼を巻き込むのをよしとせず土壇場で拒んだ。「ゆっくり ゆっくり死ね!」とは長生きしてほしい気持ちの裏返しに他ならなず、最後まで素直になれない白菊の一途な願いだった。

「あなたにあえてよかった」

夕莉の優しさに触れた逢世は、麻生への想いを託して夜泉に去っていく。

抱擁エンドで逢世が夕莉に伝えた言葉。
逢世は夕莉と共に終わろうとしたが、夕莉は全てを受け入れた上で抱擁し、逢世が引き受けてきた看取りの苦しみと叶わぬ恋心を悼んで涙を流した。夕莉の涙と優しさに浄化された逢世は元の美しい花嫁に戻り、「あなたにあえてよかった」と心からの感謝の念を述べ、一人で終わる決意をする。

『零~濡鴉ノ巫女~』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

日上山のモデルは青森の恐山

www.4gamer.net

本作の開発に携わった任天堂のディレクター・柴田誠がインタビューで日上山のモデルを聞かれ、青森の恐山での体験が元になっていると発言。イタコが普通に霊を見るなど、非日常が日常になった霊場の雰囲気をゲームに取り込んだ。

CМには劇場版『零〜女の子だけがかかる呪い~』の主演・中条あやみと森川葵が出演

『零~濡鴉ノ巫女~』のテレビCМ。

本作のテレビCМには劇場版『零〜女の子だけがかかる呪い~』に出演した中条あやみと森川葵が出演。実際に二人でプレイしながら実況する中で、射影機に見立てたコントローラーをひっくり返して撮影の仕方を覚えたり、YouTuberに近い宣伝をしている。

『零~濡鴉ノ巫女~』の主題歌・挿入歌

エンディングソング:AnJu『HIGANBANA』

作詞・作曲・歌:AnJu

エンディングソング:天野月『鳥籠-in this cage-』

作詞・作曲・歌:天野月

chika7777
chika7777
@chika7777

Related Articles関連記事

零~紅い蝶~・零~眞紅の蝶~(Fatal Frame II)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

零~紅い蝶~・零~眞紅の蝶~(Fatal Frame II)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『零~紅い蝶~』とは、「零」シリーズの第2作目で、2003年にテクモよりプレイステーション2用ソフトとして発売された和風ホラーゲームである。 霊を射影機に写すことで撃退できることや、民俗学的な視点による謎解きなど、前作『零~zero~』の長所を生かしながらも一つの屋敷から一つの廃村へと舞台が変更されており、より広い範囲で行動することになる。登場人物の中には、前作に因縁のある人間も多く、今作によって明かされる前作の設定なども見どころだ。

Read Article

零~zero~(Fatal Frame / Project Zero)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

零~zero~(Fatal Frame / Project Zero)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

零~zero~(Fatal Frame / Project Zero)とは「零」シリーズの第1作目で、2001年にテクモよりプレイステーション2用ソフトとして発売された和風ホラーゲームである。 霊である敵は特殊な能力を持つ「射影機」に写すことで撃退でき、恐怖の対象に自ら顔を向けなくてはいけないというゲームシステムによって人気を得た。民俗学的視点から解いていく謎や、敵の霊が一体一体を作り込まれている等、細部にまで拘られた設定も魅力の一つだ。

Read Article

零~刺青の聲~(Fatal Frame III)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

零~刺青の聲~(Fatal Frame III)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『零~刺青の聲~』とは、「零」シリーズの第3作目で、2005年にテクモよりプレイステーション2用ソフトとして発売された和風ホラーゲームである。 徐々に眠りから覚めなくなっていくという呪いを解く為に、除霊能力を持つカメラ「射影機」を使って、夢の中の幽霊屋敷と現実世界を行き来しながら謎を解いていくという内容になっている。 シリーズ1作目、2作目の主人公達も登場し、彼女達のその後の様子が知れるところも見どころだ。

Read Article

零~月蝕の仮面~(Fatal Frame IV)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

零~月蝕の仮面~(Fatal Frame IV)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『零~月蝕の仮面~』は和風ホラーゲーム・『零』シリーズの第4作目である。「恐怖を体験する。」がキャッチコピー。時代背景は1980年代の日本。全12章の構成で水無月流歌、麻生海咲、月森円香、霧島長四郎の4名の視点で進行する。舞台は朧月島という離島。朽ちた廃墟と化した病院や和風建築の屋敷での探索及び怨霊との戦闘がメインとなる。

Read Article

零〜紫の日記〜(心霊カメラ〜憑いてる手帳〜)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

零〜紫の日記〜(心霊カメラ〜憑いてる手帳〜)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『零〜紫の日記〜(心霊カメラ〜憑いてる手帳〜』とは、2012年任天堂から発売された3DS用のゲームソフトである。「紫の日記」に、あるはずのない文字を見てしまった者は、顔の削がれた遺体となり見つかるという都市伝説。主人公はある日、手元に届いた日記に囚われた少女「眞夜」と共に「紫の日記」の謎を解明していく。3DSを射影機に、ARノートを紫の日記に見立て進めていく本作は、より現実世界とゲームとの境界を曖昧にし、恐怖が侵蝕してくる様を体験できる。

Read Article

【内政or合戦?】ゲーマータイプ別『信長の野望』のオススメタイトルまとめ【イベントorキャラ重視?】

【内政or合戦?】ゲーマータイプ別『信長の野望』のオススメタイトルまとめ【イベントorキャラ重視?】

何作も登場している人気作品、『信長の野望』は、タイトルごとに様々な特徴があります。 このまとめではゲーマーの趣向を「内政がしたい人、戦争がしたい人、イベント重視の人、キャラ重視の人」の4つに分け、それぞれのタイプにオススメできる作品を紹介しています。

Read Article

【零シリーズ】美女・美人なキャラクターの画像まとめ【FATAL FRAME、PROJECT ZERO】

【零シリーズ】美女・美人なキャラクターの画像まとめ【FATAL FRAME、PROJECT ZERO】

『零シリーズ』は第1作目『零 zero』から続くサバイバルホラー・アクションアドベンチャーゲームだ。射影機というあり得ないものを写し出せるカメラで撮影することで、除霊したり過去を見聞きできたりするシステムが特徴的。『零シリーズ』では少女の登場人物・キャラクターが主人公となることも多く、可憐な少女たちが怨霊に果敢に立ち向かう姿を見ることができる。

Read Article

目次 - Contents