龍が如く7 光と闇の行方(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『龍が如く7 光と闇の行方』とは、セガが発売するアクションアドベンチャーゲーム『龍が如くシリーズ』の第7作目に当たる作品である。キャッチコピーは「ゲームに飽いた人たちへ」。本作は、『龍が如く』の主人公であった桐生一馬に代わり春日一番が主人公となり、彼が刑務所というどん底に突き落とされてから本物の龍になるまでの姿を描いている。重くハードなストーリー展開はそのままに、これまでの喧嘩アクションに新しくライブコマンドRPGバトルが加わり、これまでのシリーズとは全く異なったRPG作品となっている。

星野からグレーゾーンの成り立ちが語られる。伊勢佐木異人町は偽札を考案した荻久保によって秩序が保たれていたのだった。

「異人三」の星野より数々の真実が告げられる。政治家の荻久保はかねてより、異人町の星龍会と横浜流氓の抗争を憂いていて、争いを根絶させるためにそれぞれの組織に偽札づくりを提案した。横浜流氓に紙を仕入れさせ、星龍会に印刷運搬を任せ、役割を分担させることで両者の均衡を保つことが目的であったのだ。また、荻久保は懐に入った偽札を警察に渡すことで異人町の区域の警備を厳重にさせることに成功し、抗争が起きない「グレーゾーン」をつくりあげることができたのだ。異人三は、そんな異人町の平和を守ろうとするその荻久保を陰から支える存在だった。コミュジュルはもともと韓国の組織であるジングォン派が母体で、80年代になって組織が壊滅し、彼らも異人町に流れ着いた。同胞が増えていく中で、当時は横浜流氓とのトラブルが絶えなかったが、荻久保の提案によりコミジュルという組織として星龍会の事業の引き継ぎと街の監視を行うという形で安住の地と収入の保証を得ることができたため、その抗争も丸く収まるのであった。つまりコミジュルも荻久保に救われた組織の一つであり、それこそが「異人三」の成り立ちなのだと春日は星野から聞かされた。荻久保は無尽蔵の財源を手に入れ、政界で民自党幹事長となり、今の内閣で互角に荻久保と張り合える人はいないだろうと星野は語った。

続けて、明と暗それぞれの力を駆使して、秩序が保たれるのは世の理であると言った。話を聞き終え、なぜここに呼んだのかを問う春日に対し、今も偽札の真実を追っているであろうナンバの口をふさぐ必要があるとソンヒは答えた。星野は立ち上がり、春日から入手した偽札をかざし、この偽札を春日に渡した人間に心当たりがあると言い、本来なら春日たちも口封じする必要があるが、その人物に免じて目をつむると言った。星野は続けて、その人物のことを知りたいのであればナンバを連れてこいと春日に申し伝えた。友人を売るような真似はできないと、その依頼を春日は断固として断るが、趙から偽札がばれたら肉の壁がなくなって東城会や近江連合が入ってくる、そうなると異人町は壊滅してしまう、春日にもこの街には恩義があるのではないかと説き伏せられてしまう。星野も横浜流氓からナンバへ刺客を送られているので、ナンバの命が心配なら横浜流氓より先に見つけたほうが良いだろうと説得されてしまうのだった。やむを得ずこの話に乗ることとなった春日は、場所の目星がついているというハン・ジュンギから「街から出られないナンバはブリーチジャパンへ逃げ込んでいる可能性が高いだろう」という情報を聞かされるのであった。馬車街道にある白遼ビルの2階にあるブリーチジャパンの横浜支部へと向かった春日は、そこで久米とナンバと対峙した。「こちらに来たのは、あなた方だけですか?」と別の男が春日へと声をかける。それはブリーチジャパンの代表「小笠原」という男だった。既にナンバはこの小笠原に全てを明かしてしまっていたのだ。春日は横浜流氓がもうすぐ来ると伝え、ナンバに逃げるように説得したが、小笠原に足止めされてしまう。「そろそろお願いできますか!......ラオマー」そういった矢先、春日の前に現れたのは馬淵だった。

ナンバは、春日に「俺は弟を見つけてぇだけだ。生きてても......万が一死んでてもな」と言いその場を後にするのだった。再会する春日を前に馬淵は「フッ、場違いなゴミにお似合いの最期をくれてやれ」と吐き捨てるが、春日は「あんたがこんなとこにいるとは思ってなかったよ、ずっと会いたかったよ、俺らをハメてくれた礼を言えてなかったもんな......店長の分もよぉ!!」と言い馬淵の挑発に真っ向から立ち向かうのであった。馬淵を倒した春日は、野々宮のことを問い詰める。馬淵は小笠原の命令によって野々宮を殺したということが判明する。小笠原の目的は異人町の均衡を崩し、荻久保の不正を暴いて町のグレーゾーンをつぶすことだったのだ。明日には小笠原のバックにいる神室町の近江連合が押し寄せてくるということも聞き出す。続けて、自分は異人町の荒川真澄になるという野心を持っているのだと語った馬淵、軽々しく荒川真澄の名前を出したことで春日は怒り、馬淵を殴りつけるのだった。そのときナンバが戻ってきた。ブリーチジャパンであれば弟を見つけてくれると言い、馬淵の肩を持ってその場を後にする。それは春日との決別でもあった。その後、春日たちはブリーチジャパン支部長の部屋を調べてみると、そこでブリーチジャパン設立に関する新聞記事を見つける。その記事の写真を見て春日は驚いた。小笠原と握手している人物には見覚えがあったからだ。「死んだはずだぜ、こいつは......若だ......荒川真斗」そう言い見つめる先にいる男は、現東京都知事の「青木遼」だった。その頃、青木は知事室で誰かと電話をする。「ようやく見つけましたよ。荻久保幹事長の打出の小槌......肉の壁の深いところにありました」と聞き笑みをこぼす青木、東京都庁から広がる景色を前に不気味にほくそ笑むのであった。

第九章「砂上の楼閣」

3人は足立行きつけのバー「サバイバー」で青木遼のことを調べていた。ネットでは青木はアメリカでハーバードを卒業後、ブリーチジャパンを小笠原とともに設立。その後ブリーチジャパンを小笠原へと託して自身は政界へ進出し、東城会幹部を失踪させた「神室町3K作戦」により名を挙げたということが書かれていた。東城会の内部情報を漏らしていたのが荒川真澄で、その息子が青木であれば組長は息子に鞍替えしたのではないかという足立に、それは違うだろうと言う春日。戸籍はどうしたのか、足も完治しているようで、写真を見ると堀ノ内十郎と映っている姿もあった。二人は恋敵であったはずではないのか......。青木遼が荒川真斗であったとしても謎が多すぎる......ひとまず一日休むことにするのであった。翌日、春日に浜子から連絡が入った。星龍会の戸塚が春日を探しているということで警告をしてくれたのだったが、春日は浜子の身の危険を案じて店へと向かうのであった。店では戸塚が浜子の店を取り壊そうとしている最中だった。星龍会から破門されたという戸塚は、異人三が裏で集まっていたことをブリーチジャパンから聞きクーデターを起こしていたのだった。戸塚の目的は偽札ビジネスの掌握であったが、浜子を助けに来た春日によって再び敗れてしまう。その後、春日は趙から電話でブリーチジャパンのデモ隊がコミジュルに向かっているということを聞かされる。近江連合がデモ隊に紛れて偽札の真実を暴こうとしているのだった。続けて趙は、横浜流氓も馬淵が煽ったクーデターの対応に追われていて動けないので、ナンバの件は忘れるからコミジュルのほうを助けてあげてほしいと春日たちに伝えた。ブリーチジャパンの指揮を執っているのは小笠原で、コミジュルに向かうと既に近江連合率いるブリーチジャパンが暴動を起こしていた。春日たちが戦っていると、クレーン車から一人の男が身を乗り上げる。

「ワシ抜きで何おもろいことやっとるんや......アホンだら!」そう叫ぶ男は、春日と荒川が対峙したときにも同席していた近江連合の「石尾田」だった。クレーン車が鉄球を振り回す隙を見て春日たちは命からがら逃げ出すことに成功する。石尾田に出会ったことをきっかけに、足立から石尾田のほかには、沢城と元プロボクサーの「天童」という男が荒川のカシラ補佐であるという話を聞かされた。その後、先ほどの様子を監視していたハン・ジュンギから「オムニの誓い」に来てほしいと電話を受ける。春日たちは店に向かうと、女性に奥へと案内された。そこはコミジュルの地下につながる隠し通路だったのだ。中に入るとハン・ジュンギがいて、コミジュルのバリケードが既にやぶられているということを知らされる。コミジュルの中心部でソンヒと合流する春日たち、コミジュルが混乱する中、ソンヒは荻久保からの指示を受けて偽札工場を燃やし証拠を消そうとするのだった。監視システムも住居もできなくなるリスクを背負ってでも、荻久保への感謝と恩義で決断をせざる負えない状況だったのだ。ソンヒは春日たちに偽札装置が燃え尽きるまで近江連合を足止めしてほしい、力を貸してほしいと頭を下げた。「プライドの高い女が頭を下げるのはよっぽど」という紗栄子の後押しもあって春日は近江連合襲撃の時間稼ぎを引き受けることにした。春日たちの前に現れたのは石尾田率いる近江連合と小笠原、そしてナンバだった。「そこどけ一番!......お前何やってんだ!?偽札の証拠が消えちまう」というナンバに対し、春日は「俺らはここをどかねえよナンバ......悪りぃがソンヒと先約しちまったんだ」と言って立ちはだかる。「この死にぞこないが......ぶっ殺したる!!」と吠える石尾田を前に苦戦するも、焼き終えて戻ってきたソンヒの攻撃により撃沈するのであった。小笠原も逃げようとするがハン・ジュンギによって阻止される。完全に燃え尽きたコミジュル、ナンバは「これで全部闇に葬られたわけだ。異人町の偽札も......俺の弟のことも......最後の最後でお前らに裏切られた」といい絶句する。そこにソンヒが近づき「どうやら......お前は誤解をしている」と言った。ソンヒは、偽札の核心に迫っていた秋葉正一の調査能力を買っていたので、軟禁状態として地下の居住区にかくまっていたのだ。誤解が解けて手を取り合うナンバと春日、弟の安否を確認しに行ったナンバと別れ、ソンヒらと一緒にホームレス村へ向かった。そこでは、捕らえた小笠原への尋問が始められるのであった。

第十章「恩威並行を忘れず」

小笠原の尋問が始まった。春日たちは、近江連合のつながりを問われ、初めは小笠原は無言を貫いていた小笠原だったが、荒川真斗の名前を聞かされ動揺する。青木遼とは、留学先のアメリカで知り合ったこと、車いすは使っておらず渡米した後に治療を受けたのだろうということ、裕福で裏社会とつながりがあったことなどを語った。青木はヤクザにも従わない表の力、つまり人望を求めていて、その目的を果たすために東京知事を目指していたというのだ。グレーゾーンを殲滅することを目的としたブリーチジャパンの設立はそのときで、小笠原がその計画のパートナーとして選ばれたのであった。青木は参議院で初出馬をした際にブリーチジャパンを脱退し、その後民自党の推薦を受けて都知事選へと立候補を果たし、半年で3K作戦を行使、人気を不動のものにしたのだ。続けて小笠原は、青木の狙いは荻久保で、裏社会とのつながりを疑っていたと語る。その一環で店長は殺されたということ、つまりそれは青木の判断だったのだ。偽札ビジネスがなくなり、既に荻久保には力がなくなったとい言うソンヒ、直後にホームレスの村に近江連合が攻め入り、その隙に小笠原は逃走してしまう。その後星野からソンヒへ連額が来る。高部が星龍会の抗争を収めることに成功したが、今度は横浜流氓の趙と連絡が取れなくなってしまっているということだった。趙の身を案じる春日に、「いいよ一番...もうそんなやつらほおっておけよ」と後ろからナンバが声をかけた。ナンバは、異人町はもう成るようにしかならないので町を出ろと春日に助言したが、青木遼は自分の兄弟であること、今さら他人事のふりはできないと言って断り、再びナンバと別れるのであった。義理を通し、ソンヒとも協力関係となった春日たちに、新たな仲間ハン・ジュンギが加わった。

春日たちの前に再び馬淵が現れる。そこには近江連合も集結しており、若頭補佐である石尾田と天童の姿もあった。

ハン・ジュンギの話では、趙が消息を絶ったの彼の店である慶錦飯店だという。趙を探しに向かう道中、横浜流氓の鄭が春日たちの前に再び現れた。馬淵が春日たちに対して懸賞金を一人1億円かけたという理由で、鄭は趙ではなく馬淵側についたのだった。鄭を倒し、その後慶錦飯店の支配人とも死闘を繰り広げた春日は、店の奥で馬淵と再び対峙する。そこには近江連合も揃っていて、その中には石尾田と先日話に出ていた元ボクサーの男、天童の姿もあった。馬淵は「お二人方はそちらでくつろいでてください。これから......ひとつ余興を楽しんでいただきます」と言い、薙刀を使って春日たちに襲い掛かった。春日たちは、馬淵の強力な攻撃の数々に苦戦するも何とか撃退に成功する。春日は、「次は.....てめえらだ」と石尾田と天童をにらみつけた。しかし、天童は「フラついとる下級ランカーとチャンピョンが同じリングに上がれるかいな」と言い、面白いやつが現れたとだけ伝えてその場から立ち去った。一方、石尾田は「アホやであいつは、そない真似したら他のモンに食われるがな」と言い応戦する気でいた。既に疲弊しピンチを迎えていた春日たちだったが、そこにホームレスの村で別れたナンバが現れる。「だから......無茶しすぎなんだよ、お前は」と言い、再び春日と戦うことを決意した。ナンバも加わったことで石尾田を倒すことができた春日、その後ナンバに「ついで言っちゃなんだけどよ......もうちょい手伝ってもらえねえか?俺にはあんたの......仲間の助けがいるんだ」と声をかける。ナンバは「こんな俺を仲間だって......また、呼んでくれんのか?」と涙し、握手をする。ナンバの弟はコミジュルの人間と結婚するということで安否も確認でき一件落着したところで、怪我だらけの趙が現れる。趙の話では、近江連合のある男に助けられて、その男が春日に会いに来ているという話だったので、春日は趙についていくことにした。そこで待っていたのは、春日のかつての舎弟であるミツだった。再会を喜ぶ時間もなく、ミツは「荒川真澄がそう遠くないうちにあるバクチを打つのでまた連絡する」とだけ言いその場を立ち去った。何とか落ち着きを取り戻しつつある異人三、趙は横浜流氓の総帥の座を降りようとしていた。趙の思惑は、住処をなくした横浜流氓やコミジュルのどちらも救う手段としてソンヒを横浜流氓の代表として動いてもらうのが最適だと考えていたのだ。春日は、その考えを聞きいいやつだと言う。趙はばつが悪そうにしながらもその言葉を受け取るのだった。そして春日は、貸しの取り立てにいくかと言い、星野会長から偽札の話を聞くために星龍会へと向かった。

星野は、一連の件で春日に感謝を述べて、肉の壁が崩壊した今、星龍会もやがては近江連合の傘下に入るのだろうと悟っていた。そして青木は荻久保の偽札ビジネスの件で口をつぐむ代わりに幹事長のポストを狙っているのだと説明した。幹事長となり候補者名簿をつくって日本を自分の好きなように操ることが青木の目的だったのだ。続けて、春日の持っている偽札を前に持っていたのはただ一人、荒川真澄だけだと春日に伝えた。荒川はあえて偽札を春日の体に隠すことで、星野への招待状がわりにしていたのだろうと言った。戸惑う春日に対して星野は、話の続きは荒川とも因縁の深い平安楼でしようと提案した。翌日、ナンバから星野と会う前にホームレス村の村長から話を聞いてみないかと提案される。星野と春日の出会いが必然であれば、傷の手跡を命じた村長のことがどうにも気がかりだと言うのだ。村長にも何か隠し事があるのではないだろうか、そう感じた春日とナンバは村長のもとへと向かった。村長は煙草を吹かせながら、荒川組から報酬をもらって死体の処理を行っていた、息がある人間には死んだことにして救って逃がすという裏取引が存在していたという真実を春日たちに伝えた。春日は、村長の話を聞いて「頼んだぞ、イチ」という当時かすかに聞こえた言葉が頭をよぎった。その後、春日は平安楼で星野と合流し、彼の口から偽札に関する真実が語られていく。昔、星龍会では偽札の運び屋を雇っていた。その一人が荒川真澄の父親である荒川斗司雄という男だった。

ある日、斗司雄は1億を妻とその愛人に盗まれてしまう。その結果、組の跡目である男が中華料理店に来ていた斗司雄を暗殺した。その男こそ、春日の前にいた星野だった。荒川真澄は、父の死によって劇団が解散し、流れ者となり、そのまま神室町で極道の道へ進むことになった。村長の話のとおり荒川真澄は、氷川興産にいたとき死体の処理を横浜のホームレスに依頼していた。その荒川の目的は、横浜に行く機会を増やすため、父親を殺した男を探すためだった。そんなある日、平安楼への招待状が星野のもとへと届いた。星野はついに殺されるだろうと思ったが、もう逃げることもできないと覚悟していたので、その招待を受けることにしたのだ。そこで荒川真澄と対峙し、死を覚悟した星野は偽札のことなど真実を包み隠さず荒川に話した。荒川は話を聞き終えると、殺そうとせず席を立った。思いもしない対応に「復讐に来たんじゃねえのか」と問う星野、それに対して荒川は「あんたがふてぶてしく俺の招待を無視してくれたら撃てたのにな」と語った。1万円札が福沢諭吉に変わったとき、星野は荒川に裏面が白紙のエラー品を贈った。それは星野が荒川のおかげで命を救われたこと、秘密が保たれて異人三の家業を続けられるということで恩義とケジメを感じていたために、もし自分を生かしたことが見込み違いだと思ったら使ってほしいという気持ちを込めて贈ったものだった。その春日の持つ偽札の裏面には、かすかに一筆添えられていて「恩威並行を忘れず」と書かれていた。その意味は、賞や罰を適切に与えられるという様子を例えたものである。星野は、荒川にとって大切な身内であることの証明として、その偽札を春日に渡したのだろうと説明した。自分を生かすためにやったこと、親っさんが自分を撃ったのは本意ではなかった......春日は、星野から話を聞いて再び荒川真澄という男を信じてみようと思うのだった。

第十一章「喧嘩の勝算」

政界では、総理が青木に説得されたこともあって解散総選挙に踏み切った。そのころ、荻久保の元を青木が訪れる。偽札を追及し、グレーゾーンを容認する方法で社会的弱者を救う荻久保をあざけり見下すのであった。コミジュルの一件でブリーチジャパンは日本中で一気に株を上げ、そのとき火災により小笠原は名誉の戦死を遂げた英雄として取りざたされていた。実際は、小笠原は春日たちに素性を話したことで青木によって消され、上手く利用されていたのだ。サバイバーにて横浜流氓を引退して家を失った趙も合流し、春日はミツが言っていた「そう遠くないバクチ」の連絡を待っていた。そのとき、浜子から電話が来て、ゴミ出しを手伝ってほしいと言われる。浜子の店に行くと、風俗嬢は全て辞めて部屋が空いたというのだ。それは青木遼が政策として打ち出した「異人町再生シェルター」のおかげだと言う。それは国籍を持たない外国人が無料で住める施設で、職業訓練やビザ取得ができるもので、彼女らもそこに行くために店を辞めたということだった。その話に違和感を覚えつつも春日は、青木遼から話を聞けるチャンスとして小笠原の葬儀に参加するのだった。演説で涙を流しながら弔辞を読む青木は、久米を選挙区で擁立することの決意を伝えた。青木は葬儀から出てくるもマスコミが多く近づくことができなかったため、春日たちは遠回りして青木が車を停めているであろう地下のパーキングへと向かった。近江連合扮するSPたちの制止を振り青木と話をしようとする春日たち、一度は車が発進するも再び春日たちの前に戻ってきてついに青木遼が現れた。青木は「何してるんだお前たち、暴漢と市民の区別もつかないのか」とSPを叱責し、善良な政治家を演じ座り込んでいた春日の手をとった。しかし春日の手を取った瞬間、青木不気味な笑みを浮かべ「乙姫ランドに一人で来い」と耳打ちするのだった。

乙姫ランドで対峙する春日と青木。青木の口からあの大晦日当時の真実が語られるのだった。

罠かもしれないと思いながらも、一人で乙姫ランドを訪れた春日は、そこで青木遼と名前を変えた荒川真斗と対峙した。青木は、どうして自分が名前を変えてまで政治家になったのか知りたいのだろうと春日に言い、これまでの経緯を説明した。青木は、人生そのものを変えるためにヤクザの息子である荒川真澄の名前を捨て、まず病気だった足をアメリカで治療した。小笠原を殺したのではないかという春日に、青木はブリーチジャパンの内情を喋った可能性があるからリスクマネジメントとして処分したのだと冷酷に言い放った。仲間じゃなかったのかという春日に対し、青木は親父だって平気で身代わり出頭をさせるようなことをしてきたと答えた。あのときはそうするしかなかったという春日に青木は話を続ける、沢城は鈴森を殺していないと。その当時、真斗はクラブを出た後、薬の効果が切れてしまいビルで倒れてしまう。そのとき事務所へと戻ってきた鈴森に起こされた青木は、ヤクザは社会のゴミだと挑発をして激高した鈴森に奥へと引きずられてしまう。とっさに真斗は拳銃を鈴森の眉間に突きつける。その拳銃がおもちゃだと馬鹿にされた青木は、つい感情的になり2000年になったタイミングで鈴森を撃ち殺してしまったのだ。「沢城......俺...やっちまった」そう言い、鈴森の死体の前で真斗は沢城へと電話をしていた。「鈴森を殺したのは真斗だった......自分は若の代わりに出頭していたのか」よ動揺する春日に青木はひどい話だとあわれんだ表情を見せた。続けて、青木は春日に今回のことは見逃してやるから二度と俺と親父に近づくなと警告するが、春日はその代わり異人町から撤退して久米の出馬擁立を取り下げてほしいという条件を出した。青木は、久米は自分の権威を世間に見せつけるための良い引き立て役だから必要なものだと言ってその提案を断った。さらに異人町再生シェルターも権威を見せつけるためには最適だと語った。異人町再生シェルターの実態は、外国人労働者の保護などではなく、不法滞在者を捕まえて国へ強制送還させるための施設だったことが青木の口から語られる。

驚きを隠せない春日に対し、青木は話は決裂したとその場を立ち去った。青木を追いかけようとする春日の前に、沢城率いる近江連合が現れた。沢城は「若の最後の情けを無駄にしやがって、愚かモンが......」と言い詰め寄った。一人で来るというのは最初から嘘で、春日は罠にはめられたのだ。逃げ場所を失う春日だったが、内緒で待機していた足立、ナンバ、紗栄子の助けによって何とか脱出することに成功する。しかし、近江連合の追手から逃げ切れず、沢城に先回りをされてしまう。「こいつが代行に撃たれても死なへんかった奴ですかぁ、ヒヒヒ......案外普通でんなぁ」と沢城の横で不気味に笑う男は的場といい、沢城が用意した近江連合の刺客だった。スーツを汚したくないと沢城はその場から立ち去ってしまうが、春日たちは的場の撃退には成功する。近江連合に染められていく伊勢佐木異人町に不安を覚える中、浜子が駆け寄ってくる。浜子はシェルターへ行ったときに、従業員が連れ去られてしまったことを知ってしまったのだ。浜子は生きがいだったあの子たちはもう日本にはいないとその場で泣き崩れてしまう。混乱に包まれる異人町を前に憤りを隠せない春日は、青木と近江連合から町を取り返そうと決意する。ナンバに勝算があるのか聞かれ、春日は「勝算があって殴りに行くのはただの弱いものイジメだ」という荒川真澄が教えてくれた言葉を持ち出して、勝算なんて考えられないくらい強いものに立ち向かうことが本当の喧嘩だと語った。仲間たちも異人町を離れることができないと言いそこで結束した。春日は、「どいつもこいつも、今に見てろよ......」と言い表のトップである民自党、裏のトップである近江連合それぞれと戦うことをここに決意するのだった。

第十二章「極道の終焉」

堂島大吾と荒川真澄によって真実が語られる。青木の暴走を止めるためには東城会、近江連合の解散が必要で、荒川はそのために非道な裏切り者を演じていたのだ。

春日は趙の店で異人三のメンバーと食事をしていた。青木のメンツをつぶすためには久米の擁立を何とか止めることが必要という結論に達するも、星野は青木の人気がある以上それは難しいという。弱気なムードが漂う中、春日は異人三に活を入れ、星野に知恵を貸してほしいと頼み込む。星野は久米を落選させるためにこちらからも候補者を探してみるが、それには供託金300万円が必要だと春日に伝えるのだった。春日は驚くも必要であるならばとその話に乗り、300万円を準備した。そのさなか、ミツから「荒川真澄が近江連合の本部がある大阪の蒼天堀に行く」とついに連絡が入る。春日は、星野に300万円を渡し、そのまま大阪へと向かうのだった。蒼天堀にあるキャバレー「グランド」でミツからの情報を待つ春日。しかし、連絡がつかないことにいらだちを覚え、しびれを切らして直接近江連合への本部へと向かうことにした。ようやく連絡のついたミツからは、連絡するまで待ってくれと制止されたが、春日その声を振り切ってそのまま本部の中へと侵入してしまう。荒川真澄が龍の間にいることをミツから聞き、そこへ向かっていると「よお来たのお、俺は退屈すぎてあやうく死ぬとこやったんや」と言い細身の男が近づいてきた。それは「3K作戦」によって失踪したとされていた東城会のレジェンドの一人、「真島吾朗」だった。さらに横には屈強な体格もいて、それは真島の兄弟分、「冴島大河」だった。なぜ東城会の幹部がこの近江連合本部にいるのか、疑問に思う春日に対し真島は「聞きたいことがあったら力ずくで聞いてみいや」と戦いを仕掛けてくるのであった。かつて東城会を席巻した真島と冴島の連携は伊達じゃなく、苦戦を強いられる春日たちだったが「そこまでだ!」という威勢の良い男の声がして全員が手を止めた。その男は東城会6代目の「堂島大吾」だった。そして、その横には荒川真澄の姿もあった。春日たちは大吾に連れられ、龍の間へと案内されるのであった。そうして、堂島大吾と荒川真澄の二人によって、真実が語られるのであった。まず、東城会の情報を近江に流していたのは荒川真澄であることに間違いはなかった。しかし、それは大吾の許可を受けた上で、あえて荒川は非情な裏切り者を演じていたのだった。そのとき都知事になった青木は、「3K作戦」の実行のために情報をよこすよう荒川組に依頼をする。しかし、それは筋が通っていないと考えた荒川は大吾に相談したのだった。それを受けて大吾は、警察の嫌がらせにより使用者責任の罪を問われて現在2年間服役している近江連合の事実上のリーダーである「渡瀬勝」にかけあい、出所後に近江連合と東城会の解散宣言を行う形で彼と結託するのだった。その後の荒川は「3K作戦を成功させることで東城会を追い出す流れをつくること」と「裏切り者を死んでも演じ続けること」という使命を全うし、神室町へ近江連合を引き込んで、勢力を東西で二分割させることに成功したのだった。その解散宣言を遂行するために絶対的信頼のおける人を集めているということで、ミツに命じて春日と合流させたというのだ。

翌日、春日たちは渡瀬の出所に立ち合うため近江連合本部を訪れた。大勢の出迎えで本部に到着した渡瀬は、計画どおり大吾とともに解散宣言を声高らかに行った。思いもしない宣言に反発する近江連合の幹部たち、そこに参加していた天童は「こないな喧嘩......一生に一度きりや。そしたらとことん楽しめるほうにつかなオモロないわなぁ」と言って春日たちに加勢した。乱闘騒ぎの中、近江連合の一人がナイフで渡瀬を狙って突進するが、一人の男によって進行を阻止される。その男とは、かつて「伝説の龍」と呼ばれた東城会四代目の「桐生一馬」だった。渡瀬に雇われたガードマンということで現れた桐生は、「こっちは任せろ。お前らは前だけ見てりゃいい」と春日に向かって言った。春日たちは、桐生の協力もあって数多くの反対派の近江連合幹部たちを薙ぎ払うことに成功、疲弊した春日はそのままその場に倒れ込むのだった。荒川がそこに現れ「今まで......本当によく生きててくれたな......イチ」という言葉をかける。今までの苦労が報われた春日はそこでいたたまれず涙を流すのだった。関西近江連合が解散届を大阪府警に提出したことがニュースとして報じられ、6代目をかくまっていたのはニック・尾形だったことがのちに判明する。その夜に、春日は荒川と会い、これまでの話をした。荒川は、息子である真斗が権力の味を知ってしまったことで身を滅ぼしてしまうのではないかということを危惧していた。荒川は今後、組織解散によって行き場を失った者たちの受け皿を作りたいと語る。春日は、それを聞きもう一度子分にしてほしいと頼み込んだ。荒川は「俺はお前を真斗のかわりにムショに行かせたんだぜ?」と言い、恨まれても仕方ないことをしたと話をした。「じゃあ俺に少しでも悪いと思ってんなら......また俺を子分にしてくださいよ!!」と言う春日を前に、荒川は感極まる。そして春日がソープで生まれた話がトラウマになっていると語り、40年前の大晦日、茜が生んだ場所は桃源郷だったという夢をよく見るのだと説明した。荒川はさらに「真斗がソープで......そんなわけねぇのによ」と小さくつぶやいた。恥ずかしがる春日に、生まれた場所なんか関係ない、地に足つけて生きていればいいんだからと言う荒川。続けて「俺が言えた義理ではないが、夢で見た話しなんてのは......まったく不毛だな」と言い、「また明日な、イチ」と言って帰っていった。深く頭を下げて見送る春日だったが、翌日星野から「荒川の遺体が港に上がった」という衝撃の留守電が残る。

第十三章「コインロッカーベイビー」

高部の話では、荒川は星野と平安楼で会った後、その帰り道に殺されたということだった。完全に落ち込んでしまい、言葉を失う春日は無気力になっていた。そのころ、沢城は解散による混乱で地方勢力の幹部から責任を追及されて土下座をしていた。「不義理を承知で荒川に味方していた」「荒川が近江になったときは八代目近江連合に直参幹部として取り立てるという約束はどうなった」などと言われている沢城の背後から、「ご心配なく、近江連合は解散させません。関東の諸先輩方には大変なご迷惑をおかけいたします」と石尾田が大金を持って現れた。大金を前に、幹部らは態度を和らげ、「しかし荒川は殺したから筋は通っている」など手のひらを反すようなことを言う。沢城は土下座をしながらその様子を不気味に笑い「何が筋だ......極道の端くれにもならねぇ田舎のカスどもが」と言い放って顔を上げた。無礼だと立ち上げる幹部の頭をつかみ「俺はなぁ......口だけのヤクザが大嫌いなんだ」と言ってその幹部の片目をつぶした。勝手なことをするなという石尾田に、沢城は親父を殺したけじめを絶対に取らせてもらうと宣言するのだった。春日のもとに星野から平安楼で落ち合おうと電話がかかる。平安楼に向かうと星野がいた。犯人はわからないが、荒川は解散による報復で殺されたのだろうと語った。関東近江連合が組織を再編しているので、その中に犯人がいるかもしれないということを伝え、この事件には表と裏を知る男、青木の意思が絡んでいるとして、復讐をするための手伝いをすると言い、星野は春日に銃を渡そうとする。しかし春日は、親父が息子のタマを取るのは本意でないこと、青木を殴って目を覚まさせることが大切であるということを星野に伝えそれを断った。青木に近づくためにまずは演説中に久米に会おうとする春日だったが、近江連合のSPが街中で春日たちをマークしていて、思うように接触することが難しかった。そこで星野は、春日へ供託金を返し、春日自身が選挙に出馬することを提案する。もし春日が出馬すれば、久米と握手という口実で近づくことができるからだ。話を聞いて出馬の意欲を固めた春日は、急いで選挙管理事務局へ向かい手続を済ませた。星野から選挙カーを借りて春日は久米の演説に突撃をするのだった。春日の出馬に対して前科を持っていると痛烈に批判をする久米の反対側で、春日も演説を始めた。春日は自分は法律に則って出馬しているのに、法律に沿った生き方を提案してきたブリーチジャパンの人間がそれを批判するのはおかしいと指摘し、「法律のために人がいるのではなく、人のために法律があるのだ」と言って久米を論破させることに成功する。そのタイミングで握手を求めるが、上手く久米に逃げられてしまう。そのころ、青木は沢城と会話をしていた。青木は沢城の数日の様子がおかしいことを怪訝に感じながらも、「もし自分に東京近江連合の会長の器があると言うのならば24時間にこいつの命を奪ってこい」とある人物の写真を沢城に手渡した。

春日は再び久米の演説に乱入して握手を試みるが、ハン・ジュンギから星野会長の命が狙われているという情報が入ったためにそれを中断し、星龍会の本部へと駆けつけた。中は高部や他の幹部が瀕死の状態で倒れ込んでいた。そして部屋の奥に入った春日は、そこで星野会長が死んでいるところを発見する。「遅えよ......イチ」と言い、そこには沢城が座っていた。青木が沢城に暗殺を命じたターゲットとは星野だったのだ。春日は憤りながら「若もあんたも何を怖がってんだ、勝ったも同然だったろ」と声を荒げた。沢城は、春日は選挙活動で目立ちすぎたので、今は異人三を崩壊させることが最善と考えて星野を殺したと言い、そしてこの死は春日のせいだとも語った。春日は、「若は......何かをやるとき裏から手ぇ回さずにはいられねえのか?いつからそんなになっちまったんだよ!?」と怒りをあらわにして拳を突きつける。続けて荒川も殺したのかと問い詰めると沢城はそんなことはどうでもいいと振り払って戦いを挑まれるのであった。

春日は沢城の武術に圧倒されるも、激しい抗争の末、仲間の協力もあって何とか沢城を倒すことに成功した。沢城は、青木から荒川真澄の暗殺を命令されるも、それはできなかったという。続けて、沢城の口から荒川親子の真実が語られる。沢城は、15歳のころ親からの暴力などもあって神室町で荒れ果てた生活を送っていた。やがてそのとき偶然知り合った女性と生活をするようになり、やがて彼女が妊娠、病院に行かずデパートのトイレで赤ん坊が生まれた。生きる術も金もなかった沢城は、全部なかったことにしようと考え、神室町のロッカーにその赤ん坊を捨てることにした。「地獄に落ちちゃうね......私たち」とつぶやく彼女をよそに沢城はもう忘れたと言うのだった。しかし、彼女のほうは後悔がぬぐえず、結局ロッカーの場所へと戻ることになった。そこでは騒ぎが起きていて、荒川真澄が沢城の使ったロッカーから赤ん坊を取り出し走り去ったのだ。沢城はその状況を呑み込めずにいたが、都合が良かったと安心する。つまり、赤ん坊の取り違えが起きたということで、青木遼こと荒川真澄は、沢城の実父だったというのだ。それから5年後、沢城は神室町で再び荒川真澄を見かける。そこには車いすの子供も一緒だった。低体温症によって歩けなくなったことを知った。その後、沢城は息子のそばにいるために荒川と盃を交わし荒川組に入ったのだ。そしてもう一つの真実が、荒川の本当の息子の行方である。沢城はコインロッカーでもう一人の赤ん坊を見かけていた。「鍵のかかっていないロッカーだ......片っ端からあけてみるぞ!」といいコインロッカーに近づいたのは桃源郷の店長だった。そこから一人の赤ん坊が発見される。沢城はこのように過去を語り、そのときの店長が春日の育ての親である可能性が高いと示唆した。そして「お前は......荒川真澄の息子だ」と思いもしない真実を告げた。春日はその真実に動揺しながらも誰が荒川を殺したのかを問い詰めると、石尾田がやったかもしれないと沢城は言った。真実が語られたのち、沢城は足立から罪をつぐなうように促され、そのまま警察に連行されていった。星野会長が狙われているという情報を流したのは実は沢城で、本当は春日に止めてほしいという気持ちがあったのだ。

第十四章「伝承」

春日は沢城と荒川の言葉を思い出していた。やはり最善は青木と話をつけることだとし、春日は再度久米に接触するため、ブリーチジャパンの事務所へと向かうのだった。春日は外で襲ってきた近江連合の組合員を倒し、尋問をする。久米は選挙活動ができないと青木に泣きついて既に神室町に行ったことをそこで知る。情報を引き出しても怒りが収まらず、組合員に対して暴力を止めない春日、そこに桐生一馬が現れて止めに入った。桐生は、青木の次の一手がこの異人町で行われるということで、とある情報を春日たちに伝えに来たのだ。しかし桐生は、春日が冷静になるまで話はできないとし、夜になったらコミジュルに来るように伝えるのだった。夜、春日は桐生と対峙する。「あいにく俺ぁ、拳で人を見るタイプなんでな」と言い、情報を渡すに値する男かどうか見極めたいという桐生に対し、立て続けに人が死んで気が立っている、手加減できなくなるから辞めないかと春日は諭した。しかし桐生はそれならちょうどいいと挑発して春日の心に火をつける。二つの龍がぶつかり合うのだった。完全勝利といかないまでも、何とか桐生の猛攻をしのいだ春日は情報をもらうためにコミジュルの奥へと向かった。そこで見たのは異人町の外から入ってきた近江連合の雇った殺し屋のリストだった。青木が沢城を口封じするために雇ったというのだ。趙はそのモニターに映っている殺し屋らしき人物を見て「ミラーフェイス」だと言った。ミラーフェイスは現場を事故や自殺に完璧に偽装するプロの殺し屋で、変装が得意な男らしい。春日たちはそのモニターに石尾田とミラーフェイスがビルに入っているのを目撃する。影の存在だからこれ以上は関われないとする桐生に別れを告げ、「俺らはこれから石尾田んとこに行く......異人町から反撃開始と行こうや!」と声を上げた。春日たちは、ビルに乗り込んで近江連合を倒しながら奥へと進んでいった。石尾田と対面を果たした矢先、足立に姿形がそっくりなミラーフェイスが襲い掛かる。どちらが本物かわからず混乱する春日たちだったが、足立のいい加減な性格まで見抜くことができなかったミラーフェイスは、春日の道路交通法に関する質問に完璧に回答してしまい、かえってその正体を見破られるのだった。その後、春日は石尾田とミラーフェイスの二人を倒し、計画をつぶすことに成功する。春日は、荒川の殺しについて尋問するが、殺したのが石尾田ではないということを知らされる。事件当日、たしかに石尾田は荒川を暗殺しようと動いていたが、荒川と一緒にいた天童に暗殺しようとしている見つかってしまい、拘束されてしまう。荒川は「石尾田......もう近江も東城会もねえんだ。極道が極道でいられた時代は終わろうとしている」と諭した。続けて天童が「けど、おもろいもんや。そうなって初めて......やっと椅子が回ってくる人間もおあるんやからな。こんな状況にでもならな、ワシにてっぺん行くチャンスは来んかった。おもろいもんですやろ??」と言い荒川に銃を向けて発砲した。天童は、荒川側につくふりをしてこの機会をずっと狙っていたのだ。本当の裏切り者は天童であり、荒川真澄もこの男によって殺されたのだ。話を聞き終えた瞬間、天童の部下によって仕掛けられた爆弾がビルを吹き飛ばした。

第十五章「成り上がりの果て」

衆議院議員総選挙、投票日前日。神室町では青木擁立の衆議院議員候補者が選挙演説を行っていた。青木がその応援演説で登壇したとき、ふいに「神室町のみなさん!突然失礼いたします!」と拡声器で大声を出す男がいた。それはビルの爆発から逃げ出した春日だった。青木への挨拶として選挙カーへ乗り込むことに成功する。春日は握手をしながら、沢城の荒川殺し指示のやり取りが録音しているデータがミレミアムタワーの荒川組事務所にあるというブラフの情報を青木に伝え、投票が終わるまでにもらって警察やマスコミにたれこむことを耳打ちした。その後、春日はバー「亜天使」で春日の計画に手を貸してくれるというニック・尾形と合流した。録音データが荒川組事務所にあるというブラフの情報を青木に伝えれば、疑心暗鬼でも捜査せざるを得なくなるので、近江連合や天童をミレミアムタワーにおびき寄せることができるだろうという計画だった。その計画どおり、青木は天童に録音データを見つけるよう指示を出していた。その後、足立の友達がいるスナック「ニューセレナ」で寝床を借りることにした。そこにはかつて桐生と共に戦った「伊達真」の姿があった。翌日、ニック・尾形の情報で天童もミレミアムタワーにいることが判明し、春日たちも足を運ぶのだった。数えきれないほどの刺客を倒し、春日たちはついにミレミアムタワー内の荒川事務所に到着する。情報がブラフであることを明かし、借りを返しにきたことを伝える春日に対し、天童は荒川真澄がまがいものだったおかげでてっぺんを取るチャンスができたと言って挑発する。続けて「感謝しとるんやでぇ......荒川がこの世の最期に見てたのは……このワシのとびっきりキュートな笑顔や」とまで言い放った。春日は怒りに震え「ふざけんな......クソ野郎!」と言い背中の龍を見せ、天童も「最後にてっぺん獲んのはこのワシやでぇ、おどれの成り上がり話は……ここまでやぁ!!」とその敵意に応え、最後の戦いが始まったのだ。そのころ、青木は、選挙に大勝し内閣総理大臣とともに記者会見に応じている最中だった。事は順調に青木の思惑どおりに進んでいるように思えたが、その所信表明を行う途中で、画面に「青木遼民自党幹事長に殺人および殺人教唆で逮捕状」というニュース速報のテロップが流れ出す。その画面を見て唖然とする青木、記者に問い詰められる中、傍聴していたニック・尾形に青木遼の本名は荒川真斗であり荒川真澄の息子であるということを公の場で明かされてしまう。逃げるようにその場を後にする青木は、混乱しながら車の中で警視総監に確認をとっていた。青木はより詳しい事態を確認するため誰からも連絡がつかないミレニアムタワーへ向かうことにした。

久米に刺され、春日の前で倒れ込む青木。春日の熱心な説得によって青木は改心する兆しが見えていたが、その甲斐むなしくそこで命を落としてしまう。

ミレミアムタワーは複数の幹部が倒れていたが、荒川事務所には春日たちが倒れていて天童が机に座っていた。天童は青木に録音音声の情報がブラフだったことを告げる。その報告に一旦は安堵した青木は、ニュース速報を流した仲間がいると言い、全員を見つけ出して殺すように天童に命令した。その瞬間、目を開き起き上がる春日たちは、天童は偽物で青木と会話していたのはミラーフェイスだったことを明かした。ミラーフェイスは、使い捨てしようとした青木と近江連合に見切りをつけ、春日たちに協力していたのだった。さらにその会話は、ハン・ジュンギによって録画されていた。制止しようとする抵抗する青木に「もうここまでですよ、潮時です……」となだめる春日。「一番……てめえがこの絵を全部……描いたのか?」という青木の問いに、春日は天童と若をおびき寄せるためだったと説明した。激高する青木に、春日はこれ以外に方法はなかったと説明した。後には引き下がれない青木は「やれ!!こいつら全員ここで始末しろ!!」と部下らに命令を下した。春日一番と荒川真斗の最初で最後の戦いが始まったのだ。春日が優勢になり青木は上の階に逃げ出し、春日はそれを追いかけた。青木も持っていた銃を捨て、拳を突き合わせた。長い戦いの末、春日に敗れた青木はその場に倒れこんだ。青木は、自分には正義がある、日本を綺麗にする力があると自己弁論を続けたが、正義で何人も人を殺していくだろうと春日にその理想を一蹴されてしまう。さらに青木は人間には使う側と使われる側の二種類がいると言ったため、春日は「てめえと俺は……同じ日に生まれた光と影みてえなもんだ。初めから持っていたのになんでそんな人間に……!」と悔しさから声を震わせた。やがて警察が現れ、証拠となる動画を見せながら、春日は一からやり直せと青木を説得した。しかし青木は抵抗を続け、連行しようとする警官の隙を見て拳銃を盗み、その警官を人質にしながら、心の奥底で父親やヤクザに対する憎しみがあることを語ってその場から逃走した。取り返しがつかなくなり、全てを失った青木は、人生の分岐点とも言えるそのコインロッカーを訪れる。そこに来ることを予期していたかのように春日も現れ、再び青木は銃を向けた。青木は、「俺はここから始まったんだ」といいロッカーを触り、夢乃が堀ノ内の妻となっていたことを語った。青木として堀ノ内夫婦のパーティに呼ばれたときに「あなたは持って生まれた知性と品性を感じます」と言われたことがずっと青木の心にひっかかっていたのだ。そのことを笑いながら、春日から自分へと銃を向ける青木。春日は、荒川と沢城だけはずっと若のことを見ていたのだと熱心に説明する。続けて春日は「理屈じゃない、心がつながっているからほおっておけないんだ。いい加減わかれよこの馬鹿野郎が!!」と涙を流しながら声を荒げた。青木もついにその春日の様子に心を動かされ、銃を下ろしロッカーにしまい込んだ。秘書に自首することを伝え、春日と和解して笑みを見せる青木だったが、その直後近づいてきた久米に腹部をナイフで刺されてしまう。「まだ間に合う、本当の正義は……勝つんです」そう言いながらその場を後にする久米、春日は荒川が赤ん坊を抱き走り去ったあのときのように、真斗を抱え込んでその場を走り出した。

後日、警視総監である堀ノ内も、荒川組の大金が警視庁幹部らに送金されていたという収賄データの入ったUSBを足立に突きつけられ、身内である警察官らに取り押さえられてしまう。足立もついに春日たちの協力で警視総監に借りを返すことができたのだ。結局真斗は、父親の荒川とともに深い眠りについた。線香をたき手を合わせる春日、沢城が終身刑になったということをナンバから聞かされる。荒川真澄も真斗もお互いの関係の真実を知ることなくこの世を去ってしまったことに、春日は一物の寂しさを募らせる。自分の素性を明かすためにもDNA鑑定してもらえばいいと提案するナンバに対し、春日は必要ないと言った。桃源郷の春日二郎と荒川組の荒川真澄が自分の父親であるとはっきりしているからである。その後、荒川父子の葬儀に参列する春日たちは大吾、真島、冴島ら元東城会のレジェンドたちと合流した。大吾と渡瀬は解散した後、大阪で警備会社を行うつもりでいた。春日も真島にその会社に誘われるが、この異人町が自分の場所だとしてその誘いを断るのだった。春日は、仲間への恩返しと親っさんのやり残したことを異人町でやっていくと決意するのだった。献花し手を合わせたあと、式場を後にした春日の前に仲間たちが集まる。異人町を出ていくのかいという浜子に対し、春日は「サッちゃん、かわりに言っといてくれ」と言ってその場を後にする。春日は、青木が最期に言い残した「お前は生きろよ、イチ……どん底からやり直すか……いいもんだよな……」という言葉を思い出していた。「どん底まで行きゃ……あとは上しか行く道がねえ、どん底から見える景色ってのは真っ暗じゃねえ地に足付けて上を見上げりゃ希望で輝いてんだ。あんたの言う通りですよ、若……」と応えて、異人町で一人想いにふけ、空を見上げるのだった。

『龍が如く7 光と闇の行方』のゲームシステム

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龍が如くシリーズの東城会まとめ

龍が如くシリーズの東城会まとめ

『龍が如くシリーズ』はセガが開発・販売する、裏社会を生きる人々の抗争や生き方を描いたゲーム。初代から『龍が如く6 命の詩。』が桐生一馬を主人公としたアクションアドベンチャー、『龍が如く7 光と闇の行方』からは春日一番を主人公としたRPGとなっている。 東城会(とうじょうかい)はシリーズに登場する架空の広域指定暴力団であり、桐生一馬も所属する。春日一番も東城会系荒川組の若衆だった。他にも多くの重要人物が所属しており、東城会の権力争いがストーリーの中心になっていることも多い。

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龍が如くシリーズの近江連合まとめ

龍が如くシリーズの近江連合まとめ

『龍が如くシリーズ』はセガが開発・販売するアクションアドベンチャーゲームのシリーズ。極道をテーマにした作品で、裏社会を生きる人々の抗争や生き方、人間模様が描かれる。 近江連合(おうみれんごう)はシリーズに登場する関西一円を束ねる広域指定暴力団である。拠点は大阪の蒼天堀。主人公の桐生一馬が所属する東城会とは反目しあっており、シリーズを追うごとに弱体化する東城会に反し、近江連合は拡大傾向にある。『龍が如く7 光と闇の行方』では東城会と共に解散する。

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龍が如く0 誓いの場所(ZERO)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

龍が如く0 誓いの場所(ZERO)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『龍が如く0 誓いの場所』とは、セガが発売するアクションアドベンチャーゲーム『龍が如く』シリーズの第6作目に相当する作品である。キャッチコピーは「日本中が狂喜乱舞していた時代。「龍」の伝説はここから始まった」。本作は初代『龍が如く』より過去の時系列の物語となっており、主人公の桐生一馬と、シリーズの顔役のひとりである真島吾朗がそれぞれ「堂島の龍」と「嶋野の狂犬」の異名で知られる極道になるまでの姿を描いている。

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龍が如く5 夢、叶えし者(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

龍が如く5 夢、叶えし者(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『龍が如く5 夢、叶えし者』とは、セガゲームスが発売するアクションアドベンチャーゲーム『龍が如く』シリーズの第5作目に相当する作品である。キャッチコピーは「その生き様に 男たちの血が騒ぐ」。本作は前作『龍が如く4』で桐生一馬と仲間たちが東城会と上野誠和会の抗争事件を解決した後、日本各地を舞台に起きる極道たちの動乱の物語を描いており、新たな主人公に品田辰雄と澤村遥、さらに物語の舞台に大阪、福岡、名古屋、北海道が追加されているのが特徴となっている。

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龍が如く4 伝説を継ぐもの(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

龍が如く4 伝説を継ぐもの(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『龍が如く4 伝説を継ぐもの』とは、セガが発売するアクションアドベンチャーゲーム「龍が如く」のシリーズの第4作目に相当する作品である。キャッチコピーは「それは熱き男達の、奇跡の記録」。主人公の桐生一馬が東城会で起きた内乱を収めた後からの物語を描いており、従来の主人公である桐生一馬に加え、秋山駿、冴島大河、谷村正義と3人の主人公とその物語が追加されているのが特徴となっている。

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龍が如く3(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

龍が如く3(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『龍が如く3』とは、セガが発売するアクションアドベンチャーゲーム『龍が如く』シリーズの第3作目に相当する作品である。キャッチコピーは「伝説の龍が帰ってきた」。本作は前作『龍が如く2』にて近江連合との戦いを終えた桐生一馬が、生まれ育った沖縄へと帰ってからの物語を描いており、その物語の舞台として東京と沖縄のふたつが選ばれているのが特徴となっている。

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龍が如く 維新!(ISHIN)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

龍が如く 維新!(ISHIN)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『龍が如く 維新!』とは、PS3・PS4対応のアクションアドベンチャーゲーム『龍が如く』シリーズのスピンオフ作品。『龍が如く 見参!』に続く時代物の外伝作であり、キャッチコピーは「かつて日本には、英雄がいた。」である。日本の幕末が舞台となっており、忠実をベースに物語が作られている。主人公の坂本龍馬は育ての親である吉田東洋の殺害犯を捜すため、名前を変え新選組に入隊。吉田を殺した特異な剣術をヒントに、組織内部から新たな犯人を捜していく。

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龍が如く1(初代・極)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

龍が如く1(初代・極)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『龍が如く』とは、2005年にSEGAからPlayStation2用ソフトとして発売された3Dアクションアドベンチャーゲーム。『龍が如く』シリーズの第1作である。主人公の桐生一馬を操作して物語の舞台となる神室町でストーリーを進めたり、ヤクザやチンピラなどの敵と戦ったりする。企画当初は成人男性をターゲットにしていたが、リアルに再現された繁華街を自由に探索できるのと、日本の裏社会を題材とした濃厚なストーリーが繰り広げられることから話題となった。

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龍が如く OF THE END(オブ ジ エンド)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

龍が如く OF THE END(オブ ジ エンド)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『龍が如く OF THE END』とはアクションアドベンチャーゲーム「龍が如く」シリーズのスピンオフ作品で、2011年6月9日に発売されたPlayStation3用ゲームソフト。キャッチコピーは「伝説の男達、最後のケジメ」。本作は「龍が如く4 伝説を継ぐもの」後の神室町を舞台にしており、バイオハザードが発生した神室町を舞台に桐生一馬ら主人公たちが銃を手に戦いながら、事件の真相を追う姿を描いている。

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龍が如く1(初代・極)の必殺技・ヒートアクションまとめ

龍が如く1(初代・極)の必殺技・ヒートアクションまとめ

『龍が如く』とはSEGAから発売された裏社会を舞台とするアドベンチャーゲームである。主人公の桐生一馬は、堂島の龍と呼ばれた伝説の極道であり、極道組織東城会に所属している。100億円をめぐる事件を彼なりの方法で解決していく。 『龍が如く』のヒートアクションとは、『龍が如く』で敵と戦う時に使用可能な攻撃の種類のことである。ヒートゲージが溜まった状態で、コマンド△を押すと発動可能。通常攻撃では見ることのできないムービーが流れるのが特徴で、中にはムービー中にコマンドを選択するアクションもある。

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龍が如く8(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

龍が如く8(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『龍が如く8』とは、株式会社セガが販売するドラマティックRPGで『龍が如く』シリーズのナンバリング8作目。2020年に発売された『龍が如く7 光と闇の行方』以来、4年ぶりのタイトルである。キャッチコピーは「世界一、運が悪くて世界一ハッピーなヤツらの物語」。 どん底から再び這い上がる男「春日一番」と人生最後の戦いに挑む伝説の極道「桐生一馬」の2人の主人公を軸にシリーズ最高のドラマが繰り広げられる。2人の主人公が織りなすストーリーの濃密さと、サブストーリーの豊富さが魅力の作品。

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龍が如く7外伝 名を消した男(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

龍が如く7外伝 名を消した男(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『龍が如く7外伝 名を消した男』とは、セガより2023年11月に発売されたアクションアドベンチャーゲーム。 2020年に発売された『龍が如く7 光と闇の行方』の外伝作品である。 愛する人を守るため、自らの死を偽装した、主人公・桐生一馬。しかし、謎の覆面集団に襲われたことがきっかけで、再び極道の抗争に巻き込まれることになる。 本作は、『龍が如く7』での桐生一馬の「空白の時間」を埋める作品であり、「桐生一馬」という人間の魅力を前面に押し出している作品となっている。

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サクラ大戦シリーズ(ゲーム・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

サクラ大戦シリーズ(ゲーム・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

サクラ大戦とは1996年9月27日にセガゲームスより発売されたアドベンチャーゲーム。 蒸気機関が普及する「太正」時代を舞台に、主人公(プレイヤー)が特殊部隊「帝国華撃団・花組」を率いて都市に巣食う闇の勢力と対決する。 テレビアニメのほか、OVA、ドラマCD、小説、舞台、マンガ、パチンコ・パチスロなど幅広く展開されている。

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JUDGE EYES:死神の遺言(ジャッジアイズ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

JUDGE EYES:死神の遺言(ジャッジアイズ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『JUDGE EYES:死神の遺言』とは、2018年に発売されたリーガルサスペンス巨編のコンシューマーゲームである。本ゲームは、極道モノのアクションアドベンチャーゲームとして地位を築いている『龍が如く』シリーズ初の派生作品でもある。 主役は木村拓哉が務める。舞台は『龍が如く』でお馴染みの「神室町」で、関東一帯を束ねるヤクザ「東城会」の人間も登場する。猟奇殺人や、現代の日本の課題である「認知症」がテーマとなり、ストーリーを展開していく。

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