ドールズフロントライン(ドルフロ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ドールズフロントライン』とは、中国のサンボーンが開発しているスマートフォン用のゲームアプリである。民間軍事会社の指揮官であるプレイヤーは、第三次世界大戦により荒廃した近未来を舞台に、人工知能の反乱により襲い来る機械の兵士たちを撃退するため、銃の名前を冠する戦術人形と呼ばれる機械の少女を率いて戦うことになる。

グリフィンと提携している自律人形製造の大手企業で正式名称は「Important Operation Prototype manufacturing」。戦術人形の開発に関してはライバル社であった鉄血工造に大きくリードされていたが、ロシア内務省系の研究チームから開発員を招いたことで巻き返しに成功。その後、人工知能の反乱により鉄血工造が壊滅したため現在は自律人形分野での最大シェアを誇っている。

16Lab

I.O.P.社内の先進技術開発部。ロシア内務省系の研究チーム「90Wish」から招かれた開発員によるもので、AR小隊を開発したのもこの部署である。戦術人形本体の開発技術に関しては他に追随する者のいない部署であるが、戦術人形の装備品に関しては他部署開発の製品に名義貸しをしてブランド化しているため評判は良くない。

鉄血工造(Sangvis Ferri)

東欧系の軍事企業でこの物語の発端。元々はI.O.P社と提携して戦術人形を開発していたが、提携を解消し独自の戦術人形を開発。製品の頑丈さを売りに戦術人形分野で大きくシェアを広げた。同社製の全戦術人形を統括する上位人工知能の開発を進めていたが、2061年に起きた事件によりその人工知能が暴走、全ての鉄血製自律人形は人類に対する反乱を開始した。人工知能の開発者を含めほぼ全ての従業員が殺害されたため企業としての鉄血工造は崩壊、現在は人工知能に制御された工場で次々と戦術人形を生産している。

イベント「特異点」において正規軍のエルダーブレイン奪取作戦により本拠地を失ったことで、現在は表立った行動を止めて潜伏している。

新ソ連

「ドールズフロントライン」の主要な舞台となっている国。EP11で初めて明言された。
北蘭島事件による混乱で内戦状態に陥ったロシアにおいて、かつてのソ連への回帰を掲げた共産主義勢力が勝利して2031年に建国された。農工業のオートメーション化によりいち早く国内経済の立て直しに成功。この際に人型ロボットを導入したことが後に自律人形の開発へと繋がっていく。
第三次世界大戦においては旧東ドイツ地域の独立運動を軍事的に支援したことでEU諸国と衝突、全面戦争に突入した。
前述の第三次世界大戦での因縁に加えて汎ヨーロッパ連合のロクサット主義が新ソ連の国是と相反することから、国内では正規軍を中心に汎ヨーロッパ連合との協調路線に反対する勢力が少なくない。

汎ヨーロッパ連合

「ドールズフロントライン」の世界において、北蘭島事件やオーロラ事件をきっかけにした右傾化・国粋主義化からアフリカ諸国への侵略戦争を行い、その結果として第三次世界大戦を引き起こしたことを反省したEUがロクサット主義を理念に掲げて統合された欧州統一国家。名前は以前より登場していたが、本格的な登場はEP11から。
第三次世界大戦においては新ソ連とEUが戦争状態にあったため両国の関係は良くなかったが、近年では双方に歩み寄りの姿勢が見られ和平条約の締結に向けて模索が進んでいる。しかし、新ソ連正規軍内ではかつての敵国と和平を結ぶことに反対する声が強く、特にカーター将軍率いる特殊作戦局は汎ヨーロッパ連合に対して敵対的な姿勢を見せている。

ベルグラード市

EP11およびイベント「異性体」の舞台となった都市。セルビアの首都であるベオグラードをハンガリー語読みした際の名称である。作中に登場した議事堂はセルビア国民議会議事堂、城塞はカレメグダン公園内のベオグラード要塞のことであると思われる。ベルグラード市当局と新ソ連国家保安局の関係がギスギスしていたのは、かつてのユーゴスラビア連邦時代からのソ連、ロシアとの関係によるものと推測される。
「ドールズフロントライン」の時代においてはコーラップス汚染により既に首都機能を他の都市に移しており、政治的重要性の薄い都市となっていたが、それが新ソ連と汎ヨーロッパ連合との国際会議の開催地に選定される要因となった。(仮に反対勢力による大規模テロが発生しても政治的機能に支障がないからである)

ロクサット主義

汎ヨーロッパ連合が掲げる政治理念。「フラット型の社会資源分配方式を中心に、狭義の階級管理と高度自動化システム主導型社会によって成り立つ政治理論」であり、提唱者の名前を取ってロクサット主義と呼ばれる。
富裕層と貧困層の両方にある程度の利益をもたらす新型の社会主義であり、第三次世界大戦の混乱を機に欧州全土に拡大。この理念に基づき、戦後のEUは統一国家である汎ヨーロッパ連合を建国した。一方でかつてのソ連式共産主義を掲げる新ソ連においてロクサット主義は激しく弾圧されており、新ソ連内では汎ヨーロッパ連合との協調路線はロクサット主義に取り込まれることだとして強く反発する動きが見られる。また、公正な分配を旨とすることから、物資不足に陥っている東欧諸国では優先配給を求める貧困層からの不満が強く、その間隙に入り込んだパラデウスが支持者を増やす要因にもなっている。

「ドールズフロントライン」より未来の話となる「パン屋作戦」の時代には、新国際連合がロクサット主義で統一され巨大国家「ロクサット主義合衆国」となっている。

正規軍

新ソ連政府の正規軍。ストーリー序盤時点では鉄血工造の戦術人形との戦闘を民間軍事会社に委任しているため出番は少ない。EP10から本格的にストーリーに登場する。
夜戦ストーリーパートでは、鉄血の機甲兵は元々軍に納入されたものなのでその後始末は当事者である軍に任せればいいというヘリアンの台詞があった。
機甲部隊や戦車、レーザー兵器などグリフィンより近代的な装備を所持しており、E.L.I.D感染者と呼ばれる変異生物の撃退を主な任務としている。

軍内では政府の汎ヨーロッパ連合との協調路線を「敵と連合を組むようなもの」として反対する動きが強く、その中でも主導的な立場にあるカーター将軍は古代文明の遺跡を再起動させてその力でかつての冷戦構造をよみがえらせようとしている。

国家保安局

新ソ連政府の情報機関。局長はゼリンスキー。
カーター将軍らをはじめとした正規軍の一派が汎ヨーロッパ連合との協調路線を良しとせず、古代文明の力を手に入れて冷戦構造の再現を企てていることを知り配下の反逆小隊に監視させていた。しかし、政府内にも支持者の多いカーター将軍を追い落とすには状況証拠だけでは足りないと見て、反逆小隊を捨て駒にして決定的な事態を発生させるように仕向けた。

かつてはM16A1や416も国家保安局に出向していた。

反逆小隊

国家保安局に所属する戦術人形部隊。指揮官はアンジェリア。
メンバーはAK-12とAN-94、ST AR-15 MOD3。後にM4A1 MOD3が加わり隊長となる。イベント「異性体」の後にAR-15とM4がAR小隊に復帰するため離脱し、欠員補充としてRPK-16とAK-15が加わる。
正規軍のカーター将軍が不審な動きをしていることを知り、その監視をしていた。後にカーター将軍の目的がエルダーブレインのOGASプロトコルを使用して古代文明の遺跡を再起動させることだと知り、それを阻止すべく行動する。
イベント「秩序乱流」においてアンジェリアがエルダーブレイン捕獲作戦を阻止するためコーラップス爆弾を使用したことで、国家保安局のゼリンスキー局長は反逆小隊を切り捨て、テロリストと認定した。その後、国家保安局のエージェントであるKにより身分の保証と引き換えにバラクーダノードの探索と破壊を命じられる。

パラデウス

イベント「秩序乱流」より登場した新勢力。詳細についてはEP11以降で明らかになった。
パラデウスの実態は、人々のE.L.I.Dへの怖れを利用しているカルト宗教を隠れ蓑とした私設軍隊である。浄化壁外の住民や都市の下層住民に対して「E.L.I.D.汚染への対処策がある」という甘言や反ロクサット主義の思想を吹き込み、彼らを信徒として取り込んでいる。その一方で、信徒として保護した感染者を解体、生体部品として利用することで機械兵を製造している。
クローン人間の技術も持っており、ある人物のクローンをベースにOGASシステムを組み込んだ改造人間「ネイト」を製造、機械兵部隊を指揮させている。
E.L.I.D感染者を「受洗者(洗礼を受けた者)」として扱う教義を建前としているため、パラデウスの機械兵やネイトはE.L.I.D感染者に攻撃を加えることが許されない。

正規軍特殊作戦局のカーター将軍一派とは裏で結託しており、汎ヨーロッパ連合への敵対心を煽って古代文明の遺跡とOGASシステムの掌握のために協力体制を取っている。

発生した事件

胡蝶事件

2061年に発生した鉄血工造における人工知能の暴走事故。所属不明の武装勢力(正体は国家保安局であった)により鉄血工造の研究所が襲撃された際に、同社製戦術人形の統括用に開発されていた上位人工知能「エリザ」が暴走、鉄血製の自律人形全てが「エリザ」にコントロールを奪取された。「エリザ」は鉄血工造の従業員ほぼ全てを殺害して会社を掌握し、人類に対して反乱を起こした。

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