Phantom in the Twilight(ファントワ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『Phantom in the Twilight』とは、Happy Elements APが企画、原作を努めるオリジナルアニメ。大学留学のためにやってきたバイルー・トンは渡英早々、奇怪な事件に巻き込まれてしまう。助けを求める彼女は導かれるように、不思議な喫茶店「カフェ・フォービドゥン」に向かう。人間の不安や恐怖から「アンブラ」という人ならざるモノが生まれるという世界で、イケメンのアンブラたちの爽快なアクションを描いた異能ファンタジーとなっている。略称は「ファントワ」。

『Phantom in the Twilight』の概要

『Phantom in the Twilight』(ファントワ)とは、Happy Elements APが企画、原作を努めるオリジナルアニメーション。監督は「ユーリ!!! on ICE」の演出を手掛けた森邦宏、シリーズ構成は、「冴えない彼女の育てかた」の丸戸史明と「ダブルクロス」の矢野俊策、アニメーション制作はライデンフィルムが担当している。

舞台は現代のロンドン。大学留学のためにやってきたバイルー・トンは渡英早々、奇怪な事件に巻き込まれてしまう。知り合いのいない街で、彼女が助けを求めて、導かれるように迷い込んだのは真夜中にひっそりと開いていた不思議な喫茶店「カフェ・フォービドゥン」だった。
その店のスタッフは、紅茶を愛する吸血鬼、陽気な人狼の料理人、無口なキョンシーのウエイター、神出鬼没で記憶喪失のゴーストという『人ならざる者』であり、彼らの真の姿は『秘密結社トワイライツ』として、人間と影(アンブラ)との共存を目指して互いの境界を守る組織だった。
人間の恐怖や不安から生まれる『影』たちが暗躍する世界で巻き起こる奇怪な事件。それは時を超えた運命として、ひとりの少女を巡って、人と影の思惑が交錯する世界へと次第に巻き込まれてゆくこととなる。

『Phantom in the Twilight』のあらすじ・ストーリー

アンブラとの出会いと親友との別れ

高校卒業を機に自由に好きなことをしたいと、以前より夢に描いていたイギリスへの留学を決意したバイルー・トンは、親友のムー・シンヤオとともにロンドンに来たのだが、到着早々盗難の被害に遭ってしまう。犯人を追いかけているうちに、導かれるように迷い込んだ喫茶店「カフェ・フォービドゥン」は、なんとトンの曽祖母が設立したカフェであった。
カフェの店員であるヴラッド・ガーファンクル、ルーク・ボーエン、トウリュウの3人とトンは犯人を捜すことに。犯人を目の前にした彼らは突如、吸血鬼、人狼、キョンシーという人ならざる者に変貌する。その姿に驚くトンだが、いつも身に着けている曽祖母からもらった指輪にも大きな秘密があることを知る。

渡英早々にひったくり事件に遭い、それもようやく解決したのも束の間、アパートへ帰ってきたトンの目の前でシンヤオが誘拐されてしまう。
再び「カフェ・フォービドゥン」を訪れたトン。カフェの店員であるヴラッド、ルーク、トウリュウに加えて、新たにウェイン・キングを加えた4人のトワイライツのメンバーは、人ならざる存在の「アンブラ」を担当するの刑事である、ジョージ・L・グレゴリー刑事の協力も得て、シンヤオを捜索する。
この事件には「アンブラ」の影があり、「魔法の鏡」というアプリが関係していると知り、事件の真相を突き止めようと奮闘する。捜索する彼らをカフェで待っていたトンのスマホに突然、シンヤオが襲われているという知らせが入り、彼女は1人で助けに向かうのだった。

切り裂き魔のアンブラを倒して建物内を捜索するものの、シンヤオはそこにはいなかった。
彼女の行方を探す中で、トンはカフェの4人が人と影の共存を目指す組織「トワイライツ」のメンバーで、「カフェ・フォービドゥン」は組織のロンドン支部だと知る。
未だシンヤオは見つからず、手探り状態で捜査を続けていたが、ルークだけは犯人の痕跡に見覚えがあった。彼は秘密裏にシンヤオを攫った犯人、クリス・ポーエンの元へと向かった。
アンブラ殲滅を目指す組織「ミッドナイトサン」に所属するヘイシンに雇われて、シンヤオを攫ったクリス。しかし、今後は彼女を護ることを約束し、隠れ家へ身を隠した。
一方、トンはトワイライツや曾祖母について調べつつ、親友の捜索を続けていた。彼女はトワイライツのメンバーとも親交を深めていく。そしてキョンシーであるトウリュウの本来の姿は、札を剥がすことで全てを破壊し尽くし最後は自爆するように設計された「人工兵器」だと知る。
ある夜、ヘイシンの罠によってトウリュウの札が剥がされ、トワイライツに危機が訪れる。
暴走するトウリュウを、トンはリージャンの指輪の能力を使って制止させようと奮闘し、見事成功するのだった。

シンヤオを探すトン

一方、シンヤオとともに隠れ家の廃病院に身を寄せていたクリスは、彼女に対して「攫った人間」以上の思いを抱くようになる。

トンが「カフェ・フォービドゥン」の店長となった。そこにリディアという美女が訪れる。リディアは「リャナンシー」というアンブラで、成功の代わりに生気を奪い死に至らせる妖精だった。
そうとは知らず、トンは「恋人になってくれる人探し」の依頼を受けてしまう。ウェインはトンのためにリディアの要求に1番合う人を見つけるが、その人物はなんと大人気ミュージシャンのローランド・リーだった。
実は彼はリディアの元恋人であり、未だに彼女を忘れられずにいた。ローランドは彼女に会いにカフェを訪れる。しかし歌手であるローランドとの恋に悩み続け、身を引くことを選んだ彼女は、トンにアンブラハンターの力で自分を殺してほしいと願う。何とか2人が幸せになれないものかとトンは曾祖母の書斎で一縷の希望に賭けるのだった。

ウェインの情報収拾のおかげで、カフェのメンバーはシンヤオの居場所を割り出すことに成功する。
しかし、13代目ヴァン・ヘルシング率いる「ミッドナイトサン」が、先にシンヤオとクリスを捕えてしまった。
またしてもシンヤオを救えなかったトンたち。しかしヘルシングはトンに「条件を飲むのであればシンヤオを返す」と告げる。その条件とは「アンブラとの交流を断ち、事件のことを全て忘れること」だった。ヘルシングの言葉にトンは迷うものの、その日の夜、カフェをあとにする。

トンとシンヤオは再会を果たし、カフェへ帰ろうとするが、部屋に軟禁されてしまった。
ウェインの助力によって抜け出したものの、今度は彼がPCの中に閉じ込められてしまう。
ヴラッドとヘルシングが交戦している中、逃走中のトンとシンヤオの前にヘイシンが現れた。「一連の事件の黒幕は自分だ」とトンに伝えたヘイシンは、アンブラを使ってシンヤオに刃を突き立てた。ビルから落下していくシンヤオを見て、ショックのあまりトンは指輪の力による暴走をはじめてしまう。

力の暴走の果てに倒れたトン。数日後、ようやく目覚めるが、指輪の能力の使いすぎで「シンヤオ」に関する記憶を失っていた。
記憶を取り戻し、再び能力を使って友達の為に戦い続けるか、記憶を失ったまま普通の人間として過ごした方がいいのか。トンの幸せを願うトワイライツのメンバーは、各々胸の内を彼女に吐露する。

バックアップの企み

一方、一命をとりとめたシンヤオは、クリスとともに「ミッドナイトサン」からの追跡から逃げていた。ふたりの監視を続けているバックアップは、シンヤオに不思議な能力があることを察知。シンヤオの能力に興味を持ったヘイシンに対してバックアップは、「どちらが先にヘイシンがトンの、バックアップがシンヤオの能力を覚醒させることができるか」を競うゲームを提案する。

シンヤオとクリスは、カフェのメンバーと密かに落ち合う約束をした。それと同時にヘイシンとバックアップのゲームがスタート。
トンは追っ手を撒きながらシンヤオに近づくものの、ヘイシンが街中に放ったアンブラに阻止され、友人か街の住人の命かを選ぶよう迫られる。
そんな中、皆の策も虚しくシンヤオはバックアップが操る傭兵たちに捕らえられ、クリスは銀の弾丸によって川に沈められてしまうのだった。

「魔法の鏡」は人の困りごとを解決するアプリとして開発されたことになっていたが、実は人を操る為のアプリだった。それを開発したバックアップの手に落ちたシンヤオは、実験の末にアンブラを吸収し、その能力を自分のものにできることが判明する。
実験結果に満足したヘイシンとバックアップは、トンとシンヤオを賭けて最後の勝負をすることになる。

一方、隠れ家に身を寄せたカフェメンバーは、最終決戦に向けて「トンを人間のままシンヤオと再会させること」という決意を固める。

しかし、「力」を取り戻してアンブラになりつつあるトンは、ヴラッドの静止を振り切ってシンヤオ救出に向かうのだった。

ロンドン塔での戦い

シンヤオ救出の為、大量のアンブラが待ち構えるロンドン塔に向かうトワイライツとトン。
彼らを迎え撃とうと、ヘイシンは無数のアンブラを用意していた。トワイライツのメンバーは、各々アンブラと対峙する。

そしてついにウェインとトンは、シンヤオの元へとたどり着いた。しかし、すでに多くのアンブラを吸収していたシンヤオは変わり果てた姿になっており、親友であるトンにも容赦なく襲いかかってきた。ウェインはトンを庇って攻撃を受けてしまう。
シンヤオに襲われ、危機に陥るトンを助けにきたのは、敵だったはずのヴァン・ヘルシングだった。
彼の助力があり、バックアップを倒すことが出来たが、彼のコントロール下にあったシンヤオは暴走してしまう。トンはシンヤオを止めるため「最後の力」を使うのだった。

ルーク、トウリュウ、クリスの3人は、ヘイシンの生命エネルギーによって、何度も再生を繰り返す巨大ゴーレムとの戦いに挑んでいた。
一方、トンはシンヤオを止める方法が彼女の体内に埋められている装置を破壊することだと知り、破壊を試みるがうまくいかない。
諦めそうになったその時、ヴラッドが現れ、シンヤオから装置を外すことに成功する。しかし戦いで力を使いすぎたトンは、すでにアンブラになる一歩手前の状態になっていた。

ヴラッドは「私の元に帰ってこい」とトンを抱きしめた。

クリスマスになり、カフェではパーティーの準備が進められていた。そこに現れたのはシンヤオ。大学生になった彼女は、文化人類学を専攻しているそうだ。そしてトンもカフェに現れたものの、遅刻したことを怒られてしまう。皆が楽しく会話する中、ヴァン・ヘルシングは「今のうちに平和を満喫しておけ」と意味深な言葉を告げ、トンは謎の少女と出会うのだった。

『Phantom in the Twilight』の登場人物・キャラクター

ヴラッド・ガーファンクル / Vlad Garfunkel

CV:櫻井孝宏

「吸血をやめた伝説のヴァンパイア」

かつてのロンドンを騒がせる伝説の怪異として名を馳せていた最強の吸血鬼。色白で金髪、真っ赤な瞳をしており、左目の下に2つ並んだホクロが特徴的である。『カフェ・フォービドゥン』ではリーダー的な役割を担い、自らが強いこだわりを持つ紅茶を専門としているが、ものぐさで怠惰な性格から、大抵の事を他のメンバーに押し付けている。また、吸血鬼の弱点のせいで、目張りをした真っ暗な部屋の真ん中に棺桶が置いてあったり、ニンニクが苦手なのでペペロンチーノを作るルークとはいつも喧嘩をしている。プライドが異常に高く、行動や言動は一見冷淡に見えるが、実は1世紀に渡りひとりの女性を想い続けるロマンチストな面がある。彼女の影響からか、我流ではあるが中国拳法の使い手でもある。

ルーク・ボーエン / Luke Bowen

CV:岡本信彦

「仲間思いでお茶目なはぐれ人狼」

『カフェ・フォービドゥン』のムードメーカー兼キッチン担当。銀色のくせのある髪型で右目の上に赤いメッシュが入っており、カフェの制服を唯一ネクタイを締めずに胸元が開いた状態でラフに着ている。得意な料理はイタリアン。特にペペロンチーノをよく作っており、そのためニンニクが嫌いなヴラッドとはよくケンカをしている。お茶目で明るく陽気な性格とは裏腹に、自分のせいで故郷を滅ぼされてしまった壮絶な過去のせいで、弟とも決別しており現在は一匹狼である。仲間想いで人一倍情に厚いが、後先を考えずに感情のままに行動しがちなところから、失敗も多い。

トウリュウ(桃流) / Tauryu

CV:杉田智和

「忠義に生きるミステリアスな僵尸(キョンシー)」

『カフェ・フォービドゥン』のホール・レジなどを担当。もともとは兵器として使用されるために創造されたキョンシーであったが、暴走していたところをシャー・リージャンに救われてからは彼女につき従えて、リージャンと共に中国から渡英した。普段から物静かで真面目な性格で、礼儀作法には厳しい目があるのだが、少々天然気味な一面もある。忠誠心に関しては異常なまでに忠義を重んじており、主がピンチとあらば、全てを破壊してでも救い出そうとする過激な行動にでてしまうことを厭わない。

ウェイン・キング / Wayne King

CV:山下大輝

「神出鬼没で記憶喪失のゴースト」

『カフェ・フォービドゥン』の情報収集担当兼、掃除や雑用を担当。かつて街角に落ちていた人形に「意識」だけが宿っていたところをヴラッドに拾ってもらったが、実態が無い為、自らをゴーストと呼んでいる。生前の記憶は無いが、カフェのメンバーの中では一番若いと自称している。実態が無いことで、色んなものに憑依することが出来る上、新しいものが好きで好奇心旺盛な性格から、PCやスマホなどのIT関連を駆使しての情報収集に関してはエキスパートである。

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