少女終末旅行(Girls' Last Tour)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

「少女終末旅行」とは、WEBマンガサイト『くらげバンチ』で連載された作者「つくみず」による漫画作品。2017年に「WHITE FOX」製作でアニメ化。文明崩壊が起こった終末世界を主人公の「チト」と「ユーリ」は半装軌車「ケッテンクラート」に乗って旅をする。ほのぼのした日常系の作風でありながら、時折垣間見える世界観が切ない。

『少女終末旅行』の世界観

廃墟都市

物語の舞台になる多層構造の巨大都市。
古代人が作った建物を、その後の人々が使い、現在は既に文明崩壊を迎えている。
殆どの建物が廃墟になり、電力が通っている施設も殆ど無いが、稀に存在はする。
戦争で争ったような兵器の残骸や瓦礫などが多く残っている。
チトとユーリ以外の人間は基本的には存在せず、作中でも二人が家を旅立った後に出会った人間はカナザワとイシイの二人のみ。
人間以外の動植物も自然界では絶滅しており、二人は知識としてでしか動植物を知らない。
天候はいつも寒く、雪が降って居る事も多い。
多層構造になっており、階層同士は連絡塔と言われる柱で繋がっている。古代人は階層をどのように行き来していたかは不明。その後の人々により外壁にエレベーターを増設し、行き来できるようにした。
水やエネルギーを循環させるインフラを備えた幾重もの基盤殻層の上に街が形成されており、かつては地球の営みから独立した完全環境都市として機能していた。ロストテクノロジーを有した古代文明の遺跡であり、いつ造られたか、どうやって作られたのかもわからない。

上層部に行けば行くほどまだ電力や物品が残っているようで、最上部がどうなっているのかは不明。
明確に西暦何年の世界なのかは不明であるが、1999年のポスターを見て千年以上前と発言していることから西暦3000年以降の世界である事が伺える。
また、アニメ版では二人の持っているカメラの画面では「3230.08.06」と日付されていた。

文字

チトとユーリは音節文字を使っており、現代人の使う日本語は読めない。
ローマ字も読めないようであるが、アラビア数字は読めるようである。

宗教

かつて信仰されていた大規模な宗教がある。
しかし具体的にどのようなものであったのかなどの詳細は不明。
宗教に纏わるモニュメントがいたるところにあり、白い棒に頭っぽいものと目と口がついている。
その姿はヌコ及びエリンギと良く似ているようであるが、どのような関わりがあるのかは不明。

お墓

墓は巨大な下駄箱のような形になっている。
一つ一つの引き出しに故人の大事な物が収められている。
ラジオはここで発見した。

食べ物

チトとユーリが口にするのは専らレーション(軍隊で配給される野戦食)。
動植物は滅びているため新鮮な肉や野菜を口にする機会はないが、一度だけ奇跡的にどこからか流れてきた魚を焼いて食べた。
レーションと言えばあまり美味しいものというイメージはないが、二人にとってレーションは美味しいもので、食べながらまったり一息つくシーンが本作の和みどころ。
またレーションに書いてあるチーズ味やチョコ味などは味としては理解しているが、実際にチーズやチョコがどのようなものなのかは知らない。
チョコレートを発見し食べたこともあるが、古代文字で書いてあったためそれが本当のチョコレートとは分からず「チョコ味」と表現していた。
ビールを発見しほろ酔いになったり、次の日二日酔いになったこともあった。
イシイの住んでいた近くには食料を作る施設があり、そこでレーションの材料になっていた芋を煮て食べたり、芋からレーションを手作りしたこともある。
二人はいつも、古代人が保存していた食べ物や、古代人のインフラで生きていた人が残した食べ物を拝借しているが、消費期限がどうなっているのか気になるところ。
しかしお腹を壊している描写は無い。

お風呂

電気が必ずしも使えるものでは無いことなどから、お湯のあるところは珍しく、お風呂は二人にとってとても貴重なもの。
温泉があれば入るし、イシイの居た施設では電気が通っていたため毎日お風呂に入れた。
終末世界という悲壮感ある場所でありながら、チトもユーリも意気揚々と生きており、悲壮感を感じさせない魅力がある。

生き物

動植物は自然界では絶滅し、残っているのは自律機械に飼育されている生き物だけになる。
しかし自律機械も長い間動いていれば、いつか壊れてしまうもの。
第9話では最後の一機になった自律機械に飼育された一匹の魚が登場した。
また、ヌコは猫という動物がいたという知識から「これが猫かもしれない」という経緯で名づけられたもの。
即ち、チトもユーリも本物の猫がどのようなものかは知らない。

チト・ユーリの持ち物

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